電子の柩

日記やラノベの書評をつらつらと。
日本の危機管理意識の低さ
2008.07.20
中共がどれだけ軍拡してるか日本人の大半は知らないし、中共が日本の脅威だってことを理解している日本人も少ない。そのあたりのことはTVでは流れないので自分で調べるしかない。
結局のところ中共に対する意識の低さが原因なのではないのでしょうか。

早くスパイ防止法が成立してほしいです。普通の国ならあって当然の法律なんですし。


MSN産経ニュース 【土・日曜日に書く】東京特派員・湯浅博 CIAが嫌う日本の技術流出
 ◆綿陽から来る核研究者

 手元に、「レーザー核融合」などに関する研究シンポジウムの英文資料がある。今月9日までの3日間、和歌山県・南紀白浜のリゾートホテルで、日本と中国の研究者が集中討議するための会議資料だ。実は、この小さな学術会議に、なんと米情報機関が強い関心を示していたのである。

 レーザー技術はその95%が軍事技術として転用可能で、使い方によってはきわめて物騒なシロモノだからだ。驚いたことに、それを日本有数のレーザー研究者12人と中国のレーザー専門家7人が報告書を交換して議論をすることになっていた。

 安全保障の専門家は「中国に報告書を渡すとは非常識だ。レーザー核融合に関する技術の流出になる」と警戒する。

 受け入れ側の大阪大学レーザーエネルギー学研究センターに確認すると、会議は11月に延期されていた。参加予定だった中国側の中心的な研究者4人が、あの四川大地震の震源地に近い四川省綿陽市のレーザー核融合研究所に所属しているからだという。

 「綿陽」と聞いて、記憶のセンサーが作動した。

 この研究所を含む綿陽市郊外の研究施設群は、米国でいえば原爆開発で有名なロスアラモス国立研究所に該当すると聞いていた。つまり中国人民解放軍の軍事施設に限りなく近い。

 大地震の発生当初から、核弾頭製造の複合施設である暗号名「プラント821」が破壊されたのではないかとの観測があった。米紙はスパイ衛星が慎重に被害状況を探っていると伝えた。中国側の研究所から「シンポジウム延期」の申し出は、大地震の影響が軽微でないことを示している。

 ◆中国スパイに警戒感

 問題はこのシンポジウムの意義にある。中国が高度のレーザー技術を渇望していることは、安全保障の専門家で知らない者はいない。特に、米国内では中国の産業スパイが大量動員され、米国のレーザー技術をはじめとする先端技術を物色していた。

 90年代末には、ロスアラモス研究所の中国系研究員ピーター・リーが、ある会議で中国人研究者に非公開資料を見せたことを連邦捜査局(FBI)に見とがめられ、有罪になっている。

 米国は「中国の積極的かつ広範囲なスパイ活動を米国の技術に対する大きな脅威」(2007年版中国の軍事力)とし、政府機関はもちろんのこと企業、大学からの技術流出を防いでいる。

 防衛大学校の太田文雄教授はこの1月のワシントン出張で、レーザー技術問題で国防副次官から接触を求めてきたことを『インテリジェンスと国際情報分析』に書いている。副次官は中国の産業スパイがなお果敢に、レーザー技術を狙っていることを明らかにした。

 レーザー兵器は1960年代から米ソにより開発されてきた。80年代になると、レーガン大統領がスターウォーズ計画(SDI)として、強力なレーザー光線を発射して、核施設や軍事衛星を破壊する計画が検討された。さらに、重水素を詰めた燃料球に強いレーザー光線をあて高温で圧縮すれば核融合を起こせる。

 ◆日本技術が兵器に変身

 それらの技術を中国が見逃さないはずがない。今回のシンポジウムに関する英文資料も、実のところ米情報機関CIAから日本側に渡されたいわく付きのものである。米国は日本のレーザー技術が合法的に中国に流出していくことをもっとも恐れている。

 この会議の事務局になる大阪大学の同センターには日本最大級の核融合施設があり、90年に太陽の中心密度の4倍という核融合の世界記録を持っている。

 日中間で数年前から共同研究が行われ、昨年は日中協力事業として中国で第1回シンポジウムが開催された。経産省が技術流出を警戒しているのに、文科省管轄の国立核融合科学研究所からは日中協力事業として資金が出ている。

 政府はいま、専門家からなる技術情報適正管理研究会をつくり、産業スパイを取り締まる法改正を進めている。米国で流出を防いでも、日本から流れていってしまっては話にならない。

 昨年3月に自動車部品メーカー「デンソー」の中国人技術者による製品データ持ち出し事件で、大量のデータをもって中国へ3回帰国していても日本で逮捕できなかった経緯がある。

 まして、大学の研究者の学術交流で合法的に流出することを防ぐ手だてがない。日本の技術が転用されてできた兵器が、その日本に照準を合わせていたらブラックユーモアではすまない。先端科学と安全保障のすり合わせは、一刻一秒を争うレベルにある。(ゆあさ ひろし)
雑記-社会 | 19:12 | コメント | トラックバック









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